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  その準備運動、どんな意味がある?

その準備運動、どんな意味がある?

公開日
2022年3月9日
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運動をする前に必ずやっておきたいのが準備運動です。ケガを防止するのはもちろん、その後の運動へのスムーズな入りをサポートしたり、パフォーマンスアップにつなげるなど、様々な目的があります。また、一言で準備運動といってもその種類はさまざまです。今回は準備運動を行う意味、目的・効果、種類などについて解説。さらに、最強の準備運動「ラジオ体操」についてもご紹介します。


準備運動が必要なワケとは?

「さあ、準備運動をしてください!」と言われて、何をすればいいか迷ったことはありませんか?「屈伸?」「伸脚?」「アキレス腱伸ばし?」 多くの人は、とりあえず、筋肉や関節をストレッチしておけば大丈夫くらいの認識ではないでしょうか?

いきなり全力で動いて、肉離れを起こしたり、足をひねって捻挫したり…、そうしたケガを予防するために、よくある準備運動をすることは“正解”です。しかし、あらためて認識しておきたいのが、準備運動とはすなわちウォーミングアップであるということ。身体を「ウォーム(温める)」し、心拍数や血流量を「アップ(高める)」する。筋や関節を温めることで関節可動域が広くなり、心拍や血流が高まると運動本番時の心肺への負担も軽減します。つまり、ケガの予防だけでなく、主運動へのスムーズな入りを助けたり、競技性の高い運動であればパフォーマンスアップなどにつなげる目的も兼ねているのです。

【準備運動(ウォーミングアップ)の主な目的・効果】

●体温・筋温を上昇させる
血流量が増え、酸素の供給量も増えるため、筋肉の動きがスムーズになり、ケガの予防につながります。

●関節可動域を広げる
筋温が上がると筋や腱が柔らかくなり、関節の可動域がアップ。また、関節を動かすことで潤滑油の役割をする滑液が分泌されるため、なめらかな動きが可能になり、ケガをしにくくなります。

●心拍数を高める
心拍数、呼吸数を徐々に増加させることで、主運動時の心肺への急激な負担を軽減。主運動へのスムーズな入りを助けます。

●神経を刺激する
筋肉とつながっている中枢神経を刺激するため、筋肉の反射的な動きが高まり、主運動にスムーズに入りやすくなります。

●心の準備になる
運動に入るための集中力アップ、自分がその運動を行なっている時のイメージを整えます。


準備運動には、どんな種類がある?

では、準備運動にはどのようなものがあるのでしょう?冒頭にもあったような「屈伸」「伸脚」「アキレス腱伸ばし」などももちろん準備運動のひとつですが、今回は大きく3つに分けて紹介します。

●バリスティックストレッチ
反動をつけて元に戻す、この動作を繰り返して筋肉を伸ばすストレッチのこと。わかりやすい例だとアキレス腱伸ばしなどがあります。このストレッチを取り入れる注意点としては、筋肉や関節への負担が大きいため、最初は小さい反動で徐々に慣らしていくこと。また、ストレッチの中でも終盤のメニューに取り入れるのがオススメです。

●ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)
身体を動かしながら行うストレッチのこと。バリスティックストレッチも動的ストレッチではありますが、異なるのは、反動で筋肉を伸ばすというよりも、より競技に近い動きを取り入れて身体を運動に慣らしていくような性質があると言えます。全身を使う動きも多いので、心拍数も上がり筋温も高まり、準備運動としては理想的と言えます。このことから様々なスポーツに取り入れられています。

●スタティックストレッチ(静的ストレッチ)
動的ストレッチとは異なり、反動をつけずに筋肉をゆっくり伸ばし、伸びきった状態で一定時間静止するストレッチです。可動域を広げることができるため、以前はこのストレッチが多く用いられていましたが、近年の研究ではパフォーマンス低下につながるという報告もあります。逆に、スタティックストレッチは筋肉痛予防などに効果があるとされ、運動後のクールダウンに推奨されています。

ご紹介したように、準備運動だけでもさまざまな特徴があります。理想はよく使う部位をほぐしたあとで、ランニングなどで筋肉を温めつつ、少しずつ主運動の動きに近いストレッチを取り入れていくこと。野球だったら素振り、サッカーなら脚上げ、空手ならジャンプやフットワークなど、それぞれの特徴的な動きをイメージしながら準備運動を行いましょう。


最強の準備運動、ラジオ体操

  その準備運動、どんな意味がある?(3-1)


競技スポーツやハードな動きの運動ではなく、ウォーキングやジョギング程度で軽く汗を流したい時におすすめなのが「ラジオ体操」です。「子どもの頃、適当にやっていたなぁ〜」「夏休み、眠かったなぁ」など、記憶にうっすら残っている方も多いかもしれませんが、実はラジオ体操こそ、考え抜かれた最強のダイナミックストレッチと言えるかもしれません。

ラジオ体操第一は約3分間に13種類の運動が盛り込まれています。手足を伸ばす・回す、身体を反らす・ねじるなど、動きが多くみられるのが特徴です。これにより筋肉がほぐれ、血流がアップすることで、肩こりや腰痛が緩和したり、身体の歪みの改善などが期待できるとされています。

また、ラジオ体操第二も13種類の運動で構成されていますが、こちらは運動強度が第1よりも高く、腱や筋肉を刺激する運動も多く盛り込まれています。

合わせて6分ほどの準備運動の中で、全身をくまなく動かせるため、これほど理想的な準備運動はないといえるでしょう。
子どもの頃は適当にやっていた人も多いと思いますが、大人になった今こそ真剣にラジオ体操をやってみてはいかがでしょう。たかが準備運動かもしれませんが、しっかり動かせば体がポカポカ温まり、じんわり汗をかくことができます。運動習慣がないと言う人は、ラジオ体操が運動がわりにもなりますので、ぜひ実践してみてはいかがでしょう。


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  その準備運動、どんな意味がある?(4-1)この記事はスポーツ振興くじ助成を受けて制作されています


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