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  血圧高めといわれたら有酸素運動のはじめどき!

血圧高めといわれたら有酸素運動のはじめどき!

公開日
2022年3月9日
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健康診断や人間ドッグなどで血圧を測定したら基準値よりも高かった・・・。こんな経験はありませんか?そのまま放っておくと「高血圧」になってしまう可能性も少なくありません。血圧が高まる要因として挙げられるのが、塩分の多い食事や飲酒、喫煙、運動不足、ストレス。つまり数値を悪化させないためには生活習慣の見直しがとても大切です。ここでは高血圧の予防に効果的な運動をご紹介。誰でも簡単に取り入れられる運動なので、血圧の数値が気になる人はぜひ参考にしてみてください。


高血圧は自覚症状が出にくい「サイレントキラー」

健康診断の結果の血圧の欄を見ると「110/70mmHg」といったように2つの数値が書かれています。最初の大きな数字が、心臓が収縮したときの血圧で「収縮期血圧」、小さい数字が、心臓が拡張したときの血圧で「拡張期血圧」と呼ばれます。

日本高血圧学会では、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧としています。高血圧は喫煙と並んで日本人の生活習慣病死亡にもっとも影響する要因と言われており、放っておくと脳卒中や心臓病のリスクを高めてしまいます。高血圧症自体は過去数十年で大きく減少しましたが、「平成29年国民健康・栄養調査」※1 によると、高血圧の割合は男性で37.0%、女性で27.8%であり、約4086万人が該当することが示されています。

しかしこの病気の本当に怖いのは、「サイレントキラー」と呼ばれるほど、数値が上がっても自覚症状がほとんどないところです。そのため健康診断などでの数値が高かったのであれば、家庭でも血圧を測り、きちんと管理することが非常に重要。なお一般的に病院などではかる際は血圧が高めに出るケースが知られているため、診察室と家庭では基準値が異なります。家庭では収縮期血圧135mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上で高血圧が疑われるのでご注意を。

※1 厚生労働省.平成29年国民健康・栄養調査報告.2018.

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有酸素運動に降圧効果! まずは自宅まわりの散歩から

高血圧症が発症した場合、生活習慣の改善と降圧薬治療が治療の基本になりますが、予防の段階では、塩分を控えるなど食生活の見直しや禁煙、アルコール摂取量の制限、習慣的な運動で改善することが可能です。なかでも運動療法は、血管内皮機能を改善し、降圧効果が得られることが多くの研究によって証明されており※1、最近では治療や予防に推奨されている運動療法に関するガイドラインも確立されてきています。

高血圧症の治療・予防においてとくに重要なのが「有酸素運動」です。習慣的な有酸素運動は、収縮期血圧を3.5mmHg低下、拡張期血圧を2.5mmHg低下させ、高血圧患者においても収縮期血圧を8.3mmHg低下、拡張期血圧を2.5mmHg低下させる効果があると言われています。

有酸素運動とは、酸素を使って脂肪を燃焼させる運動を指します。代表的な有酸素運動としてウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、水泳が挙げられます。高血圧の治療・予防を目的とした場合、推奨される運動時間・頻度は、定期的に(できれば毎日)、30分以上です。10分以上の運動を何度か分けて繰り返し、合計1日30分以上としてもかまいません。まずは自宅まわりの散歩からはじめてもいいですし、気合いを入れてスポーツジムに通うのであればトレッドミル歩行やエルゴメーター(自転車こぎ)、水中運動がおすすめです。

また運動といえば筋力トレーニングを思い浮かべる人も多いでしょう。筋力トレーニング単独では明らかな降圧効果は期待できませんが、有酸素運動と組み合わせることで、加齢にともなう筋量の減少を予防することができます。有酸素運動に慣れてきた段階で、ダンベルなどを用いた軽い筋力トレーニングを加えるとより健康的な体に近づくことができます。

※1 Cornelissen VA et al. Exercise training for blood pressure: a systematic review and meta-analysis. J Am Heart Assoc 2: e004473.2013.




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「ややきつい」程度の運動が高血圧の予防に

高血圧の治療・予防に運動療法が効果的であることは間違いありませんが、これまで運動習慣がなかった人が突然、無理な運動を行うと、体に大きな負担がかかります。かならず有酸素運動、筋力トレーニングともに軽めからはじめましょう。

運動に慣れてからも、高強度の運動はかえって血圧を上昇させてしまうため、中等度、「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100-120拍/分、最大酸素摂取量の50%程度)で行ってください。

体への負担が心配な場合は、事前にメディカルチェックを受けて、虚血性心疾患や心不全などの心血管合併症がないことや、運動療法の可否を確認したあとにはじめると良いでしょう。個人の基礎体力や年齢、体重、健康状態によって適切な運動量は異なるため、最初に健康運動指導士に相談するのもおすすめです。
高血圧の改善の第一歩は体を動かすことから。まずは掃除や洗濯、車をやめて自転車で買い物に行くなど、生活のなかで身体活動量を増やすことからはじめてみてはいかがでしょうか。


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