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  若くても他人事ではないロコモ

若くても他人事ではないロコモ

公開日
2022年3月8日
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皆さんはロコモティブシンドローム(ロコモ)という言葉をご存知ですか?
ロコモは、ロコモとは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念で、「骨、関節、筋肉、神経で構成される“運動器”の障がいにより、移動機能の低下をきたした状態」を指します。高齢者になってから起こりうる身体状態というイメージがありますが、実は高齢者になっていきなりロコモになるわけではありません。働き盛りである30~40歳代の運動習慣の有無が、将来のロコモ状態を招きやすくすると考えられており、日々の積み重ねによって50歳代以降に顕在化すると言われています。年齢を重ねてからではなく、運動不足を感じたときに行動に起こすこと、そしてロコモの正しい知識を持ち、自分はロコモになるかもしれないという意識で予防対策を行なっていくことが大切です。


突然ですが、片脚立ちで靴下ははけますか?

靴下をはくときに多くの人が座っていると思いますが、一度片脚立ちで靴下をはいてみてください。もしもできないという人がいたら、それはロコモ予備軍かもしれません。ロコモとは、ロコモティブシンドロームの略で2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。「骨、関節、筋肉、神経で構成される“運動器”の障がいにより、移動機能の低下をきたした状態」。簡単にいうと「立つ」「歩く」といった機能が低下して、移動が大変になる状態のことを言います。ちなみに以下7項目のうちひとつでも当てはまったらロコモの心配があると言われています。

1 片脚立ちで靴下がはけない
2 家の中でつまづいたりすべったりする
3 階段を上るのに手すりが必要である
4 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
5 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
  (1リットルの牛乳パック2本程度)
6 15分くらい続けて歩くことができない
7 横断歩道を青信号で渡りきれない

  若くても他人事ではないロコモ(1-1)


「ロコモチャレンジ!推進協議会」によると、上記ロコチェックで1つでも該当した人の年代別割合を見ると、30歳代でおよそ5人に1人、60歳代になるとおよそ半数の人が当てはまるという調査結果となっています。また、該当者に女性が多いのには、元々の筋力が少ないということに加え、骨粗鬆症などになりやすいといった傾向が見られることが理由と考えられます。

出典:ロコモチャレンジ!推進協議会



ロコモリスクは将来の介護に強く結びついている

ロコモであることが、なぜここまで深刻に捉えられているのか。それは将来の要支援・要介護と深く関連しています。厚生労働省の調査によると、要支援・要介護の原因は全体の2割以上が運動器の障害であることがわかっており、ロコモに特に関係が深いひざ、腰、骨の病気が起因しています。これらの部位に障害が現れ始めると、歩行能力が低下したり、ときにはつまづいて大怪我をしたり、支援や介護が必要にあるケースが後を絶ちません。

  若くても他人事ではないロコモ(2-1)


ロコモ・ロコモ予備軍に該当する運動器障害実態を調べた大規模研究*1)では、ロコモの代表的な関節疾患である変形性腰椎症の40歳代の有病率は、男性40%以上、女性約30 %であり、以降は急増する傾向にあります。また、変形性ひざ関節症の40歳代の有病率は男女ともに10%程度ですが、こちらも加齢とともに大きく増加。骨密度が低下する骨粗鬆症においても同様の傾向が見られました。つまり働き盛りの多くの人が、ロコモ予備軍であり、決して他人事ではないのです。


*1)
Yoshimura N, Muraki S, Oka H, Mabuchi A, En-Yo Y, Yoshida M, Saika A, Yoshida H, Suzuki T, Yamamoto S, Ishibashi H, Kawaguchi H, Nakamura K, Akune T. Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis, and osteoporosis in Japanese men and women: the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study. J Bone Miner Metab 2009;27(5):620-8より作成


ロコモにならないためにはどうすれば?

  若くても他人事ではないロコモ(3-1)


上記でもご紹介したようにロコモに関連する疾患は40〜50歳以降に急増しますが、しかし、この年齢に達したからといって急に運動器の機能低下が生じるわけではありません。多くのケースが若い頃からの生活習慣の影響と考えられ、50歳代以降に顕在化しているため、若いうちから健康に関心を持ち、ロコモを予防することが重要になってきます。

実際に運動器は普段の生活で身体を動かして負荷をかけることで維持されると言われており、つまり、最大のロコモ予防は運動習慣ということができます。

運動不足を感じている人は、普段からマメに体を動かすことを心がけることが大切です。ケンスポコムでご紹介しているようなニュースポーツ、スポーツ・レクリエーション活動などに挑戦してみるのもいいかもしれません。
また、仕事や家のことで毎日が忙しく、自分の健康や、運動習慣をつくることに時間を避けないという人は、「エスカレーターよりも階段を使う」「歩く距離を増やす」「歩くときに大股・早歩きを意識する」などを意識すると、日常生活そのものが良い予防になりますので、ぜひ実践してみましょう

まずはご自身の現状を知ることが第一歩となります。自分はすでにロコモかもしれない、あるいは予備軍かもしれないという危機意識を持ち、日本整形外科学会のロコモ度テストを行ってみてはいかがでしょうか。状態を把握した上で、これからのロコモ対策の意識を高めていきましょう。

ロコモ度テストはこちら
ロコモチャレンジ!推進協議会「ロコモ ONLINE」


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  若くても他人事ではないロコモ(4-1)この記事はスポーツ振興くじ助成を受けて制作されています


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