災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.632(2012年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.12
Recrew No.632(2012年6月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.12

公開日
2020年7月5日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
継続する支援活動
新しい公認指導者が活躍!


飯舘村仮設住宅への訪問が続いています 福島県レクリエーション協会

福島第一原子力発電所の事故により計画的避難区域となった飯舘村。福島県レクリエーション協会は、その飯舘村の住民が暮らす相馬市大野台第6応急仮設住宅を、昨年8月から毎月訪問しています。4月15日は23人の方が集まりました。この日は、レクリエーション・コーディネーターの資格をこの3月に取得した佐藤由佳さん、引地陽子さん、渡辺広美さんが活動をリードしました。
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最初は渡辺さんの言葉遊びと、手を前に出す時にグーとパーを入れかえる遊びです。渡辺さんはグーとチョキやパーとチョキ、昔のチョキと今のチョキなど、左右の指の入れかえを難しくしていきます。毎回こうした遊びをやっているのですが、間違ったり、戸惑ったり…それがおかしさを一層大きくして、みなさんの大きな笑い声が響きました。
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佐藤さんは最初に「春が来た」をみんなで歌い、次に歌にあわせて肩たたき。みなさんも慣れたもので、自然に2番に入っていきます。そして、左右8回、4回…と、たたく回数を変え、最後は隣の人の肩をたたきました。
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引地さんは、円形をつくり、みなさんに一つずつお手玉を渡しました。カスタネットをたたく要領で、片手に載ったお手玉を掴み、隣の人の手に載せます。最初は「1、2」の合図でやっていましたが、自然と「春が来た」が始まりました。次は、「あんたがたどこさ」の「さ」の時にお手玉を動かします。最後の方になると「さ」が繰り返され、テンポについていけなかったり、慌ててお手玉を落とす人も。終わってみると、お手玉がない人や2つ持っている人もいて、また笑いを誘っていました。
8ヵ月が経った支援活動を振り返り、スタッフのみなさんは、「顔見知りにもなって、冗談も言い合えるようになった」、「歌の時も声が自然と出てくるようになった」と言います。そして、「『お母さん』ではなくて、そろそろお名前でも呼びたいね」と名札を用意するかどうか相談していました。

あすと長町で支援活動を開始 仙台市太白区レクリエーション協会

仙台市内で最大規模の仮設団地・あすと長町仮設住宅で、仙台市太白区レクリエーション協会が支援活動を開始しました。
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3月27日、最初は村田耕造さんの早口言葉での口の体操。続いて、用意した動物のカードを参加者の背中に貼り付け、自分の付けている動物は何かを参加者同士が尋ねて当てるゲーム。「私は海に住んでいますか?」など、質問をしあいながらコミュニケーションがとりやすい雰囲気ができあがりました。参加者のみなさんからも「早く身体を動かしたいね」とか、「この前やったゲームも楽しかったのよ」といった会話が聞こえてきます。
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そうした期待に応えて、鎌田多紀子さんの歌に合わせた体操が始まりました。「ドレミの歌」や水戸黄門の主題歌などに合わせて、手を伸ばしたり、身体をたたいたり、伸ばしたりすると、「気持ちいい」という声が聞こえてきます。輪投げやラダーゲッターといった、身体を動かすゲームもしました。初めて触れるラダーゲッターのヒモでつながった2個のボールを、みなさん集中して投げていました。
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東松島市の仮設住宅で レク研修の受講生が活躍

震災の5年前に宮城県レクリエーション協会が開催した「減災レクリエーション」研修会を受講した中塩敬子さん。宮城県東松島市の「ひびき工業団地応急仮設団地」で、毎日のように集会所や談話室で活動をしています。
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中塩さんは野蒜海岸近くの東名地区に住んでいました。津波で娘さんを亡くし、自宅も住めない状態になりました。
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しかし、避難所で暗い顔をした人々を見て、またご自身もお孫さん(亡くなった娘さんの子ども)の前では悲しい顔を見せたくないと、周りの人たちに「ちょっと身体を動かしませんか」と誘ったり、子どもたちと一緒に遊んだりする活動を始めました。5年前の研修を思い出しながら活動を続け、仮設住宅に移ってからも、お茶飲みや軽い運動、モノづくりなどをする機会を毎日のようにつくっています。
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東名地区は地盤が沈下してしまい、「この先の事が決まらず、将来に望みを託せるのかわからない」といいます。しかし、「財産はなくなったけど、命はある。悪い方に考えるより、みんなでいる時を楽しくしていきたい」とみなさんが話してくれました。中塩さんが、そうした生活の中の「楽しさ」を支援しています。
 Recrew No.632(2012年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.12(3-4)
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