災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.630(2012年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.10
Recrew No.630(2012年4月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.10

公開日
2020年7月3日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
カラダが動いてきた!


山田町大沢仮設団地集会所を訪問 岩手県レクリエーション協会

岩手県レクリエーション協会は、1月13日、14日に山田町の仮設住宅集会所を訪問しました。山田町では「ほっとサポートセンター山田」を設置し、そこから生活支援員を派遣して各仮設団地集会所での活動を行っています。今回はそうした集会所での高齢者の健康づくり活動の支援で、2日目の14日(土)は大沢仮設団地の集会所を訪問しました。
活動が始まる10時近くになると、集会所に皆さんが集まってきました。この日の参加者は10人ほど。早速、相馬満枝さんが手や指の運動を始めます。  
手を握ったり、開いたりする動作の時は、「グー、パーと大きく口をあけて声を出してみましょう」と、声を出すことを促します。また、左右反対に指折りをする動作で、参加者がちょっと戸惑うと「間違っていいんですよ。みんなで笑いましょう」と声をかけます。相馬さんはただ体を動かすだけでなく、参加者の皆さんが声を出したり、笑うことを促しながら進めていきます。
手や指の運動の後は、腕まわしや背のばし、腰のひねりなど、段々と体全体を動かす体操へ。この日は「自宅でもできるように」と、タオルを使って体操をしました。この時も、「1、2」と声を出して、スムーズな呼吸をすることを促します。参加者の皆さんも段々に体が温まり、上着を脱ぎ始めます。太腿を上げたり、肩をまわして肩胛骨を動かす動作を続けるうち、集会所のエアコンを切るほど暖かくなりました。
 Recrew No.630(2012年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.10(1-1)

2人組の動作を始めるときには、お互いに握手をします。その時、自然と会話が始まります。相馬さんは、すぐに体操を始めずに、しばらく話をする間をとりました。その後、タオルを引っ張り合う動作や、膝を使って体全体を動かす動作や、「なべなべ底抜け」のような体をひねってまわる動作を、歌を歌いながら楽しみました。
休憩の時には、岩手県レク協会のスタッフも含め、みんな打ち解けた様子で会話が弾みます。この日は、山田町では昔、クジラを捕っていた話が始まりました。「クジラの脂の臭いがすごく、臭い代としてクジラの肉が配られた」ことや、「ゆるが(イルカ)」も捕れ、「クジラより柔らかく、臭いもなく美味しかった」といったことが懐かしそうに語られました。
 Recrew No.630(2012年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.10(1-2)

休憩後に相馬さんがお手玉を配りました。すぐに投げ始める参加者の皆さん。円形を作り、歌に合わせて手渡しをしていきます。その中に、一際大きなお手玉(バッゴーのビーンズバッグ)が入っていました。実は、後半にやるバッゴーへの導入でした。
小野昭夫さんが、参加者の皆さんに実際にビーンズバッグを投げてもらいながら、ルールを説明し、早速ゲームに入りました。ゲームを繰り返すうちに、投げるコツを覚え、皆さん上手になっていきます。また、サイドを移動する時、皆さんの動きが軽快になり、生活支援員さんが「みんな体が動いてきていますよ」と声をかけていました。小野さんも「今度は外でもっと思いっきりやりましょう。」と声をかけていました。
 Recrew No.630(2012年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.10(1-3)

今日の参加者は皆さんが女性でした。「お父さんたちにどう出てもらうかが課題」と岩手県長寿社会課の中田修さん。男性が集会所の活動に参加しやすいように、花壇の世話などの役割を作るとか、健康作りも取り組む回数を競うといったアイデアを話し合っているそうです。生活支援員さんも、「男性は映画や落語などのイベントには出てくるが、こうした機会にはなかなか」と言います。また、小さな規模の仮設団地には集会所の代わりに談話室が設置されているものの、こうした活動が少ないといいます。中田さんは「これから2年以上暮らす仮設住宅での新しいコミュニティー作りも課題です」と話してくれました。
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