避難所や被災地域の小学校等で支援活動を行ってきた宮古市レクリエーション協会が、10月より仮設住宅での活動を開始しています。
11月6日(日)、坂下真紀子さん、遠藤節子さん、熊谷美保子さん、大槌聡子さん、坂下晃さんの5名が高浜仮設団地(44戸)の集会所を訪れました。本当は他にも参加を希望するメンバーがいたのですが、集会所の広さを考慮して5名にしたそうです。
この日はあいにくの雨。開始時刻の午前10時には、まだ参加者が集まってきませんでした。「ずっと被災の光景を見ていると気が滅入る」ということで、被災地域では土日になると内陸に出かける傾向があるといいます。「誰も来ないかな」と少し心配していましたが、1人、2人と集会所に来始め、「友だちに声をかけてくる」という方もいて、5人の参加者が集まりました。
「最初は3B体操といって、宮古弁だとサンビーは『さんびー(寒い)』だけど、暖かくなる体操からやってみます」と坂下(真)さんが宮古弁で雰囲気を和ませ、体操が始まりました。3B体操の用具ベル(空気の入ったクッション)を握ったり、胸の前で両手で押さえたり、膝で挟んだり、いくつかの動作を簡単に説明した後、松の木小唄や加山雄三などの懐メロ、氷川きよしのヒット曲などに合わせて体操します。宮古市レク協会のメンバーが交代でリードし、一曲終わるたびに上着を脱いだり、「暖かくなった」、「暖房を切ろう」という声が聞こえてきたりしました。
4、5曲終わったところでお茶を飲みながらの休憩です。仮設住宅での生活の様子を聞いている時、「あれ、娘の同級生だよね」と参加者の方。メンバーの一人が、実はここに住む方と知り合いだったことがわかりました。地元の言葉でコミュニケーションがとれ、かつての繋がりが、より一層打ち解けた関係にする。地元のレク協会が支援活動をする良さなのかもしれません。
後半は、道具を使わない歌体操やゲームを楽しみました。指、腕、胴など身体を伸ばしたりねじる体操では、皆さんから「気持ちいいね」という声が。「スキヤキじゃんけん」(カードに描かれたスキヤキの材料を集めるゲーム)では、袋の中からカードを引くたびに、期待外れや期待通りの結果に大きな笑い声が上がっていました。
「笑った、笑った」と参加者の皆さん。仮設住宅の暮らしで、「家にいると笑うことが少ない」と話してくださった方もいました。皆さん「また来るから」と言って集会所を後にされました。
宮古市内には仮設住宅が62カ所設置されていますが、8割が40戸以下、5割が20戸以下と、多くが小さな規模の仮設住宅です。宮古市レク協会の皆さんは、「参加する方が少なくても、こうした小さな仮設住宅をできるだけ支援していきたい」と話してくれました。