災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.659 (2015年3月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.39
Recrew No.659 (2015年3月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.39

公開日
2020年8月1日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
震災から4年が経過
まだまだ支援活動が必要とされています


寂しい気持ちを明るくしたい 宮古市レクリエーション協会

岩手県宮古市河南仮設団地は、金浜地区の方々が多く暮らしています。宮古市でも徐々に復興住宅の建設や自宅の再建が進み、仮設住宅を出ていく人も見られるようになってきましたが、金浜地区の復興住宅は今年から建設が始まるため、まだ出ていく人たちはそれほど多くないそうです。
 Recrew No.659 (2015年3月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.39(1-1)

1月11日はとても良い天気でしたが、風が強く寒さが身にしみました。集会所も暖房をつけても、床から寒さが伝わってきます。10時になると、参加者が集まってきました。早速、透明ベルダー(3B体操の用具)を使って準備運動からスタートです。〝♪どうにもとまらない(山本リンダ)〟のハイテンションの曲に乗って動いていきます。1曲終わると、身体が熱くなってきます。「熱くなってきたら、脱いでねー」、宮古市レク協会の坂下真紀子さんのリードで、テンポよく進んでいきます。次の曲〝♪ジンギスカン〟ではお尻を振ったり、スクワットをしたり最初より強度を高めた動きが加わります。坂下さんの「便秘解消! お腹を動かして!!」というかけ声に、みなさん大笑いしながら楽しんでいました。
 Recrew No.659 (2015年3月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.39(1-2)

この日は、スタッフの米澤勝さん・弥生さんご夫婦が9か月のはるま君を連れてきました。じゃんけん大会では、はるま君がグー・チョキ・パーの札を選びます。みんなどれを選ぶか興味津々。小さい子どもがいると会場の雰囲気も和み、抱っこしたり膝に乗せたり、みなさんがとてもかわいがっていました。その後、遠藤節子さんのリードで指体操を行い、スライドカーリングや座布団とタオルを使ったゲームなどを楽しみました。
 Recrew No.659 (2015年3月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.39(1-3)

「この地区は時間どおりに始められるんですが、他の地区では時間になってもなかなか参加者が集まらないので呼びに行くこともあります。最近、仮設に住む人が減ってきているように感じます」と坂下さん。仮設に住む友人が移ってしまうことで寂しくなり、気持ちが暗くなってしまう人もいるそうです。また、支援活動に訪れるボランティアなども少なくなっているのが現状です。震災から4年が経過しますが、まだまだ仮設住宅に住む人たちへの支援は必要とされています。

レク支援で自宅での生活も変わった! 宮城県レクリエーション協会

宮城県山元町の町民グラウンド仮設住宅集会所で、昨年10月10日から12月12日にかけて、10回シリーズの「心と身体の元気アップ教室」が行われました。毎回90分程度の活動のなかで、レクリエーション支援の中で共通して行われる、笑うこと、声を出すこと、ふれあい、脳トレ、身体活動などの要素を取り入れたプログラムを実施し、参加する高齢者の心身に及ぼす効果も検証しました。
 Recrew No.659 (2015年3月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.39(2-1)

12月12日は最終回の活動が行われ、いつもと同じように歌に合わせた体操やチーム対抗で競うゲームなどを楽しみました。この支援活動が始まった10月10日は、長机を囲むようにして椅子に座ったままでプログラムを楽しんでいましたが、第2回目からは机を取り払い、立って行う場面も少しずつ増やし、それにともない、90分間のなかで行うプログラムの数と運動量も多くなっていきました。第6回目の時点では、ゲームの時の応援やかけ声や笑い声も大きくなり、生活支援相談員のみなさんも、参加する高齢者が「明るくなってきていると思う」と話すほどでした。
 Recrew No.659 (2015年3月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.39(2-2)

今回も大きな声、笑い声が集会所に響いていました。バナナの箱を的にして、中央に空いた穴に落とさないようにお手玉を投げるゲーム(「バナナ・バッゴー」と名づけられました)では、普段は杖を使っている方も、投げる位置まで歩いてくるのを厭わず、何度もお手玉を投げていました。仲間が投げる時には自然に「それっ!」というかけ声や「○○さんがんばれ」と応援し、「遠慮しなくていいんだよ」と会話も弾みます。成功した時、また失敗した時の歓声も、お腹の底から声が出ていると感じるくらい大きな声でした。
「仮設住宅の生活は気を使うので、ここに来て大きな声を出せるのがとても良く、みなさん積極的に出てきてくれました」。「ここに出てきてくれる人は、今年はカゼをひいてないんです」と生活支援相談員のみなさんも高齢者の変化を感じていました。参加したみなさんからも、「体操をしたり、歌を歌ったり、ゲームをしたり、いろいろなことができて、毎回楽しみにしていました」、「いろんなグループが支援活動に来るけど、ゲームなどで勝負したり、みんなとわいわい騒げるのが楽しかった」といったお話も聞けました。また、ご家族の方からも、「仮設住宅の中ですが、以前より動くようになって、ずいぶん変わった」といった変化も聞かれました。
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