災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.655 (2014年10月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.35
Recrew No.655 (2014年10月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.35

公開日
2020年7月28日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
防災訓練でレク支援の体験を実施
支援活動の効果検証も開始


子どもたちが野外活動に挑戦! 福島市レクリエーション協会 あそびの城

福島市レクリエーション協会が運営する「あそびの城」。毎月2回、福島第一小学校を拠点にした活動は既に10年間続き、東日本大震災後は、外遊びが制限される子どもたちを支援する役割も担ってきました。
7月12日は、調理や火おこしにチャレンジ。翌週から始まる夏のキャンプに備えてのプログラムです。調理の体験では、ジャガイモの皮を剥き、前年度の活動で作った味噌を使って味噌汁を作りました。低学年の子どもたちは、ほとんどが包丁を使うのは初めてで、スタッフに包丁の持ち方、ジャガイモへの刃の当て方などを教えてもらいながらの挑戦です。ぎこちない手つきですが、一言も喋らずに少しずつ皮を剥いていき、なんとか一つのジャガイモを剥き終わりました。「初めてだからこわかったけど、最後は慣れてきた」と、ちょっと自信もついたようです。
ニュースポーツなどで身体を動かし、みんなと協力してモノづくりをし、野外活動など初めてのことにも挑戦する、福島市の「あそびの城」。月2回の活動ですが、スタッフは子どもたちの成長を感じています。そうした活動の効果を、外部の人たちの視点からも評価しようと、福島大学のサポートを得ながらの検証作業も始まります。

山元町でレク・インストラクター養成と 仮設での支援活動を開始 宮城県レクリエーション協会

宮城県最南端に位置し、津波の被害などにより多くの住民が仮設住宅で生活する山元町で、レク・インストラクターを養成する「みやぎ遊学実践塾」がスタートしました。町社会福祉協議会の協力のもと、地元の人たちがレクを学び、仮設住宅に住む高齢者向け介護予防プログラムを提供できるようになることを目指します。
 Recrew No.655 (2014年10月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.35(2-1)

7月12日、勤労青少年ホームにて第1回目の研修を行い、社協職員や健康づくりの活動などを行っている21名が参加しました。
町内には仮設住宅が8か所と災害公営住宅も整備されはじめており、高齢者向けサロンなどでのレク支援活動も開始。東北福祉大学のサポートを得ながら、支援活[#動の効果検証も試みます。また宮城県レク協会は、気仙沼市、石巻市でも「みやぎ遊学実践塾」を実施しています。
 Recrew No.655 (2014年10月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.35(2-2)

愛媛県の防災キャンプで レク支援の体験学習を実施

愛媛県教育委員会は、想定されている南海トラフ巨大地震や、近年各地で頻発する豪雨災害に備えるための「青少年防災キャンプ(平成26年度文部科学省委託事業「体験活動推進プロジェクト」)」を、8月1日から2日にかけて実施。新居浜市高津公民館を避難所に見立て、地域の小学生、高校生ボランティア、消防団、老人クラブ、自治会、PTAなどの関係者約70名が、避難所運営のシミュレーション、液状化や放射能についての学習、着衣泳や炊き出し、床に段ボールを敷いて寝る体験などをしました。その中で、1日の夜と2日の朝の2回、レクリエーションによる支援について学ぶ時間も設けられ、東日本大震災の支援活動に取り組む宮城県レク協会の山内直子さんが招かれました。
1日目は、避難所を想定したレク支援です。最初に伝えられたのは、大勢の被災者が集まる避難所は、子どもたちが走り回ったりできず、大人もまわりへの気遣いからストレスをためやすいこと、そうした状況でも、エコノミークラス症候群の予防や気持ちを前向きにするために身体を動かすことが大事であるということ。スペースも限られ、道具もない避難所ではレクによる支援が効果的で、みんなで身体を動かし、声を出し、笑ったりふれあったりする機会が、ストレス軽減に役立つことが説明されました。
その後、避難所と同じように子どもと大人が入り混じった状態をつくり、拍手を使ったゲームが始まりました。「男の子」「女の人」といった言葉に、当てはまっていると思ったら手を叩きます。「元小学生」などの言葉に間違えて手を叩いたりするうちに、笑いとともに雰囲気が少しずつ和んでいきます。慣れてくると、手を叩く回数を増やしたり、「ハイ」と声を出しながら叩きます。最後は全員が、声を合わせて手を叩きました。
「こんなふうにみんながニコニコして、声を出してくれるようになることが、避難所での支援では大切なのです」と山内さん。その後も、歌やジャンケンなどを織り交ぜた道具を使わないゲームや、グループごとに手をつないでのゲームなどが行われ、短い時間でしたが、無理なく雰囲気を和らげ、声を出しながら身体を動かし、人と人のふれあいをつくるレク支援の例を見せてくれました。
 Recrew No.655 (2014年10月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.35(3-1)

2日目は、仮設住宅などでの生活不活発病の防止をテーマにしたレク支援でした。最初に、みんなの知っている歌に合わせて、手首や腕の運動、スクワット、身体の捻りなどを行う体操、脳トレと足のステップを合わせた運動の例を体験。そして、避難生活の中に必ずあるタオルを使った運動を始めました。タオルを丸めて握力の運動をしたり、片側を結んで投げ、キャッチする時に低い姿勢になったりすることで、足腰の運動を促します。さらに、仮設住宅の集会所にある折りたたみ椅子を的にして片側を結んだタオルを投げ、椅子に乗ったり、引っかかった数を競う運動遊びや、やはり集会所にある座布団を9枚並べ、丸めたタオルを投げて、ビンゴをつくるアクティビティも紹介されました。
 Recrew No.655 (2014年10月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.35(3-2)

参加者からは、「学校でも友だちとやって、災害の時にできるようにしたいです」、「避難所でも、みんなを笑顔にすることが大切だと思いました。みんなとわかりあえてよかったです」といった感想が聞かれました。
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