災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.646(2013年11月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.26
Recrew No.646(2013年11月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.26

公開日
2020年7月19日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
「待っている人たちがいるから」
人数が少なくても支援活動は実施!


中埣仮設団地でサロン活動を毎週継続 美里町社会福祉協議会・ おおさきレクリエーション協会(宮城県)

宮城県の内陸、大崎地域東部に位置する美里町。2003年に宮城県北部連続地震で被災したこの地域は、東日本大震災とその一ヶ月後の大きな余震により、3886棟の家屋が全半壊するなど、再び大きな被害を受けました。しかし、今回の震災では内陸部のこうした被害はあまり知られていません。
町外のボランティアによる支援活動がほとんど見込めない中で、美里町社会福祉協議会はおよそ50世帯が暮らす中埣仮設団地でのサロン活動(すまいるサロン)を続けています。毎週月曜日に行う活動は、レクリエーションの公認指導者資格を持つ職員が主に担当するほか、月に2回、地元のおおさきレク協会が活動を支援しています。
9月9日(月)は、おおさきレク協会の五十嵐恵美さんと手島牧世さんがサロン活動をリードしました。この日の参加者は2人。参加者が少ない時もありますが、「待っている人がいると思うと、行かなくっちゃと思うんです」と五十嵐さん。同社協の浅野恵美さん、志子田恵さん(お二人とも公認指導者)も手伝ってくれました。
この日のメインのアクティビティは「パラソルシュート」。開いた傘を逆さに置き、そこに手作りの輪を投げる、宮城県レク協会の考案した軽スポーツです。傘に入った時、柄や骨に引っかかった時、それぞれの点数や投げる位置をみなさんと決めてゲームが始まりました。最初は利き手で、次に反対の手で投げます。手作りの輪は形も不均等のため、意外と投げづらく、自然と指先にまで神経を使います。
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「左手はよその人の手のようだ」と言いながらも集中するみなさん。投げる手を変えた時、「足はどっちが前だった?」と確かめると、「前足を出して」、とユーモアたっぷりの答えも返ってきます。ゲームが進むにつれ、身体の動きも大きく、歓声も大きくなっていきました。
参加者も一緒にルールを作ったり、楽しみながらも普段あまり使わない身体の部分を動かすなど、おおさきレク協会のみなさんのリードにはいろいろな工夫があります。身体機能が落ちてきた参加者がいる場合は、ゲームのチーム名を決める時に季節の花や食べ物を話題に出しながら回想法的なアプローチをしたり、得点の計算、勝負がつくごとに大きな声と動作でバンザイをするなど、介護予防のための工夫をしています。
こうした支援活動も新たな局面を迎えようとしています。公営住宅の設置が進み、仮設住宅からの転居も始まりました。手島さんは、「次の段階に進んだと思われるかもしれませんが、まだまだ気持ちに寄り添う支援が必要」といいます。確かに、被災地では被災時の苦労や自宅が流されたり、壊れた時の話を残念そうに話す方も少なくなく、未だに失った震災前の生活が、心に残ってしまっていることに気づきます。浅野さんも、「先のことがなかなか見通せない避難生活では、信頼関係を築きながら小さな楽しさをいくつも積み重ねていくことが大事」といい、「その人を受け止め、得意なことや良い面があれば、スポットを当てる支援が必要」と感じています。
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そして、「公営住宅に移った後も、すまいるサロンのように、身体を動かし、おしゃべりや交流を楽しむ場を地域住民と共につくっていくことがますます必要」とみなさん話してくれました。

少人数でも楽しめる活動を工夫 山田町大浦小学校仮設団地 岩手県レクリエーション協会

8月21日(水)は、岩手県レクリエーション協会の相馬満枝さん、平野光子さん、岡沼紀子さんが山田町大浦小学校仮設団地の談話室を訪れました。大浦地域は船越半島に位置する漁村です。この日は「ウニの口開け(ウニ採り)」があり、多くの人が浜に手伝いに出たため、談話室に集まった方は4人でした。仮設住宅の支援活動では、こうした地域の行事などと重なることも度々です。
相馬さんが「少ない人数でも楽しめるように」と、いつも行う体操でなく、ボールを持ち出し、一人ひとりに手渡しました。すると早速、子どもの頃に得意だった〝まりつき〟を見せてくれました。
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最初は、ボールを両手で握って指先の運動。続いてボールは膝に挟み、両手を使った運動へ。グーとパー、左右反対に動かしたり、手を握る時に親指を中、外と入れ替える動作などを歌に合わせて行います。「頭がついていかないな」と苦笑いするみなさん。
ボールを投げる運動も少しずつ難しくなっていきます。はじめは自分で上に投げてキャッチ。次は片手だけでやったり、お手玉のようにテンポよく続けたりします。二人組で、横から投げたり、バウンドをさせたり、円形になってテンポよく同時にボールを送るゲームにも挑戦しました。
後半は談話室でもできる軽スポーツ「スライドカーリング」を楽しみました。このゲームは、少し長いスティックで円盤を押して、得点が描かれた場所に滑らせたり、相手の円盤をはじき出します。押すコツを掴み始めると、みなさんがゲームに集中していきました。最初は椅子に座りながらやっていた方も、いつのまにか立ちあがっています。ねらいを少し外しただけでも、スティックを振って悔しがっていました。
「部屋にいても何もやることがないし、テレビばかり見ているよりも」とみなさん。身体を動かすと、「次の日が違うんだよ」と言います。震災から時間が経つにつれ、ボランティアグループ等による支援活動も少なくなってきました。サポートセンターのスタッフ・佐々木さんは、「今日のように対抗戦のゲームなどは、楽しさもあり、熱中すると、いつのまにか運動にもなっている。こういう機会をもっととり入れたい」と話してくれました。
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