災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.642(2013年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.22
Recrew No.642(2013年6月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.22

公開日
2020年7月15日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
規模の小さな仮設団地、
避難指示解除区域での
支援も継続


川内村で高齢者の交流を支援 福島県レクリエーション協会

福島県双葉郡川内村は、東京電力福島第一原発事故により一時全村が避難し、昨年1月、村長が帰村宣言をしました。一年が経過し、全村民約2800人のうち週4日以上村内で暮らす帰村者は約1200人。帰村者は高齢者が多く、避難前は三世代で暮らしていた高齢者が一人で戻ってくる場合も少なくありません。そのため高齢者の暮らしは、家庭菜園や震災前の農業を始めるなど、活動範囲が少しずつ広がる一方で、近所づきあいなどの交流が難しくなっていると言います。
そうした状況の中で、川内村役場と川内村社会福祉協議会が3回の「ふれあい交流会」を企画。ホームページで福島県レク協会の支援活動の様子を見た保健師さんが、「みんなで身体を動かしたり、歌ったりして楽しい時間を過ごしてもらいたい」と交流会でのレクリエーションを任せてくれ、3月29日、福島県レクリエーション協会の佐藤喜也さんが川内村を訪れました。
 Recrew No.642(2013年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.22(1-1)

最初は「北国の春」に合わせた体操から始まりました。ゆっくりと身体を伸ばしたり、横に倒したり、リラックスしてくるにつれ、みなさんの歌う声も大きくなります。次は右手をグー、左手をパーにして、合図にあわせてグーとパーを入れかえる遊びです。最初は簡単ですが、入れかえる前に一つ拍手を入れるだけで間違えやすくなり、笑い声が響きます。続いては、「春よこい」を歌いながら。つい声が小さくなったり、真剣な顔になっている様子が、さらに笑顔を引き出しました。
 Recrew No.642(2013年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.22(1-2)

続いて、「もう少し難しいことにチャレンジしてみましょう」と佐藤さん。右手を上下に動かして2拍子を、左手で三角形を描き3拍子を、同時に動かす動きに「つられちゃうよ」と笑い声が漏れます。これも歌に合わせて楽しみました。
この日はいろいろな運動・動作を歌に合わせて行いました。「一人暮らしの方は運動不足になりやすいし、大きな声を出す機会も少ないので」と佐藤さん。みなさん交流会を楽しみにしており、「参加するために、寒い中自分で1キロほど歩いてきた方もいた」というほど。川内村の保健師さんたちも、「自分たちでもレクができるように」と、メモや写真を取りながら参加していました。
佐藤さんは保健師さんたちに、軽スポーツを楽しむ交流イベントや、健康づくりのための支援者育成を提案。今後も川内村の支援を続けていきます。

陸前高田市下矢作地区での支援活動を継続 岩手県レクリエーション協会

陸前高田市の海岸から5~6キロも内陸に入った矢作地区から、海は見えません。しかし、津波の被害はこの地区まで及びました。地区の中には仮設住宅が5カ所設置され、主に矢作地区と気仙地区の被災者が暮らしています。その仮設住宅に暮らす人たちが集まる下矢作多目的研修センターを、4月8日、岩手県レクリエーション協会が支援に訪れました。
最初は、相馬満枝さんがウォーミングアップ。手のひらを閉じたり開いたりする簡単な動作から始まりました。次は、親指を外に出したグーと、中に入れたグーを交互に行います。最後は、左右の手が違うグーになるように。難しくなるにつれ、みなさんの表情も緩み、雰囲気が和らぎます。
 Recrew No.642(2013年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.22(2-1)

健康づくりのためのタオルを使った体操も行いました。身体を伸ばしたり、ひねったり、腕や太腿の運動、片足でのバランス、タオルを投げてキャッチするなど、普段の生活の中であまりしなくなった動作も含め、いろいろな運動をします。後半は床に敷いた的に向けて羽根を投げ、得点を競う「羽根っこゲーム」です。軽い羽根を離れたところから的に落とすように投げるので、足腰もつかって大きな動作で羽根を投げます。投げる時は、千葉正道さんが「がんばれ。それ、がんばれ」と応援。みなさんもそれに続きます。羽根を投げる時はいつも応援の声が響き、「ほら、虎をねらって」といったアドバイスも飛び交います。
 Recrew No.642(2013年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.22(2-2)

「毎週月曜日が楽しみで」と話すみなさん。レクの支援活動がない時も、物づくりや茶話会などを楽しんでいるとのことでした。矢作地区のような小さい規模の仮設住宅団地への支援活動は少なくなっていることから、岩手県レク協会は今後も月一回程度の支援活動を継続します。
また、岩泉町など他地域の小さな仮設団地についても、支援の要請に応えていきます。
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