災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07
Recrew No.627(2011年12月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.07

公開日
2020年6月30日
Message Sharer Tweet

被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
仮設住宅での支援活動が本格化。


楽しみながらの健康づくりが好評! 大東町レクリエーション協会

津波による大きな被害を受けた陸前高田市。仮設住宅への入居が始まると、閉じこもり防止や介護予防のために、市健康推進課と市社会福祉協議会が連携して、地域ごとに「お茶っこ飲みの会(お茶飲みサロン)」を開催し始めました。10月20日(木)、大東町レクリエーション協会(岩手県一関市)の皆さんが、米崎サロンと長部サロンに伺いました。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(1-1)


陸前高田市の仮設住宅は、被災した市街地を囲む平地の少ない高台に建てられているため、集会所などがない小規模の仮設住宅が点在しています。そのため、市社協の職員が小型バスなどで高齢者を迎えに行き、コミュニティセンターのような場所でサロンを行っています。米崎地区も8つ、長部地区も5つの仮設住宅から参加者が集まってきます。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(1-2)

「今日は大東町レクリエーション協会の皆さんが山一つ越えて来てくれました。気仙弁で通じるからね」と紹介され、大東町レク協会のプログラムが始まりました。最初は小野寺美智子さんの準備体操です。手や腕、首、足など、身体をほぐしたり伸ばしたりする動作を、どうすると気持ちが良くなるのか、参加者の皆さんとお話をするような雰囲気で進めていきます。続いて松川栄一さんがハンカチを投げている間に拍手をしたり、足を踏みならしたり、大きな声で笑ったりするゲームをしました。その次は村上睦子さんがグループゲームを、五日市道子さんと松川登美子さんが歌にあわせた運動をするなど、大東町レク協会の皆さんが、それぞれ順番にプログラムをリードしていきました。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(1-3)

大東町レク協会は6年前から介護予防のためのレクリエーション支援を続けてきました。今回もそうした実績を評価されて、陸前高田市での活動につながっています。どのプログラムもゲームや歌などの活動ですが、身体や心肺機能に働きかけるものでした。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(1-4)

このサロンではリハビリ的な運動もやっていたとのことです。しかし「毎回は疲れる、大変だ」という声もあり、レクリエーションを取り入れたと言います。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(1-5)

市社協職員の方が、「こういう楽しみながら、笑いながらの運動が高齢者にはいいようです。みんな楽しんでいます」とお話しくださいました。長部サロンでは、参加者の方が大東町レク協会の皆さんへのお礼にと、地元の民謡「気仙坂」を歌ってくれました。

仮設住宅での地域サロン活動をレク協会が支援 仙台市レクリエーション協会

10月8日(土)、荒井小学校用地仮設住宅(仙台市若林区)の集会所で、宮城県レクリエーション協会の山内直子さんと仙台市レクリエーション協会の黒田スミ子さんがレクリエーションによる支援活動を行いました。
荒井小学校用地仮設住宅には、若林区荒浜地域で被災された方が生活をしています。震災前、この荒浜地区の浄土寺では、友引の日には葬儀等が行われないことから、友引の日に体操やおしゃべりを楽しむ「サロン友引の会」が開かれていました。その世話役をしていた二瓶そのさんたちが、「仮設住宅でも続けたい」とサロン活動を再開。震災前に介護予防のためのレクリエーション研修を受けていた縁で、今回、山内さんたちが参加することになりました。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(2-1)

開始時刻の午前10時近くになると、仮設住宅に住む高齢者の皆さんが集まり始めました。中には要介護認定を受けられ、介護をするご家族と一緒に参加される方もいます。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(2-2)

最初は二瓶さんのリードで「赤とんぼ」などの歌を歌ったり、歌に合わせて軽い体操をしました。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(2-3)

歌集は二瓶さんたちの手作りです。その後を山内さんと黒田さんが引き受けました。
「おはよう」と声をかけ合う歌や「ぱぴぷぺぽ」など言いづらい言葉で歌を歌ったり、紙を細長く裂く遊び、サランラップの芯に糸を巻いていくゲームなどを楽しみました。どれも、大きな声を出したり、口や指先、手首、腕を動かしたりするなど、遊びながら心肺機能や普段あまり使わない部位を刺激することを意識したものでした。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(2-4)

グループに分かれてのゲームも楽しみました。新聞紙を丸めて作ったボールを目標に近づけるように投げるボウリングです。ボールが完全な球ではないために、ちょっとずつ違う方向に転がっていきます。時には敵のチームの目標に入ってしまうことも。意外な結果が出るたびに、大きな笑い声が響きました。
 Recrew No.627(2011年12月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.07(2-5)

サロン友引の会を運営する二瓶さんも被災者です。ご自身の住む場所が、この仮設住宅の地域から離れることとなり、今後のサロンの運営を話し合っているところでした。そこで、二瓶さんの仲間を仙台市レクリエーション協会が支援する形で、このサロンを継続していくことになりました。
一覧へ戻る