災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.622(2011年6月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.02
Recrew No.622(2011年6月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.02

公開日
2020年6月24日
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被災地に笑顔を届ける
Team Recrew スタート。


被災地から離れて伸び伸びと遊ぶ。

4月17日の朝、避難所となっている大槌町立赤浜小学校の体育館から、子どもたちが少し緊張した面持ちで校庭に出てきました。津波に町が飲み込まれてしまった大槌町。赤浜小学校はまさに被災地の中にあります。
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子どもたちは、これからバスに乗って遠野市へ。初めて被災地から離れて遊びに行きます。この日は大槌町の赤浜小学校に避難する小中学生19人と釜石市立栗林小の小学生3人の22人が参加しました。
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このプログラムは遠野市社会福祉協議会と遠野まごころネットが企画し、運営を岩手県レクリエーション協会と遠野市レクリエーション協会が行います。津波の被害を受けた地域はどこも独特の強い臭いがします。「被災の現場と臭いから一時的にでも連れ出して、自然が豊かな遠野で伸び伸びと遊ばせたい」。そんな想いからこのプログラムが始まりました。

久しぶりに楽しかった!

遠野市の会場、柏木平レイクリゾートに着くと、たくさんのレクリエーション・ボランティアが待ち受けていました。
まず初めはいろいろなゲームを一緒に楽しみます。ジャンケンや数合わせ、長く声を出し続けるゲームなど、ボランティアスタッフにも促され、みんなの大きな声と笑い声が会場に響きました。
「避難所はあまり動けないから、思いきり遊べて楽しい」。「避難所は静かだから、大きな声を出せて楽しい」。「久しぶりに楽しかった」と子どもたちが話てくれました。
昼食は、みんなでピザを作りました。自分たちでトッピングをし、それを施設の石窯で焼いてもらいます。子どもたちは、「こんなことができるとは思わなかったね」、「避難所では食べられない」と話していました。「ピザだけでは足りそうもない」と用意したお餅や豚汁もなくなり、みんなお腹いっぱい食べました。
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空気もきれいで元気になった。

午後からは、外に出て大縄跳びやバンブーダンス、フライングディスク、リングキャッチなど、みんなで体を動かして楽しみました。いろいろな種目を体験できるように、スタンプラリー形式でまわります。
それぞれのコーナーでは、ボランティアに加わった遠野高校バレー部のみなさんも大活躍。「少しでも元気になってもらえたらうれしい」と話していました。
施設内の芝生の土手で子どもたちが転がって遊び始めると、みんながそれに続きます。服の汚れなど全く気にせず、何回も登っては転がる子どもたち。本当に思いきり、伸び伸びと遊んでいました。子どもたちは取材に来ていた新聞記者に、「空気もきれいで元気になった」と答えていました。
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赤浜小学校副校長の岩切博文先生は、久し振りに伸び伸びと遊ぶ子どもたちの様子を目を細めて見守っていました。ほとんどの子どもたちの家は流されてしまったそうです。岩切先生は、「避難所でみんなといるときはまだいいのかもしれません。仮設住宅に移ったあとにも、こうしてみんなで遊ぶ機会が必要だと思います」と話してくれました。
プログラムの最後にみんなで握手をして別れました。ボランティアが手を振る中、子どもたちもバスの窓からずっと手を振っていました。
このプログラムは今後も毎週末行われ、送迎バスの確保などができ次第、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市から子どもたちを招きます。また、キャンプなどの宿泊型のプログラムも実施する予定です。
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広がるレク・ボランティア。

東日本大震災の被災地での、レクリエーション・ボランティアの活動が広がり始めています。岩手県では遠野市での活動のほか、宮古市、釜石市、大船渡市などで臨時の児童館や避難所の子どもたちに遊びを届ける「いわて子どもあそび隊」の活動が始まります。
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宮城県では、多賀城市の避難所や女川町総合体育館で高齢者を対象に、また隣接する女川第二小学校で子どもたちと遊ぶ活動が新たに始まります。
福島県では、これまで内陸部の避難所での活動が中心でしたが、今後、沿岸部の相馬市や南相馬市での活動も行っていく予定です。
日本レクリエーション協会では、各地域で始まった活動を支援するレクリエーション・ボランティア"Team Recrew"の登録を始めています。登録していただいた方には、現地の活動や受け入れ体制の情報を提供します。また、岩手県、宮城県、福島県に在住の公認指導者のみなさんは、直接、県レクリエーション協会にご連絡ください。
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